韓国市場で起きた大きな変化
今年(2025年9月)韓国では無資格者でもアートメイクの施術が合法化されました。
これにより、これまで“闇”で活動していたサロンが表に出てきたり、
新たに参入する人が一気に増え、市場はかつてないほど供給過多に陥っています。
この供給過多の中で、アーティストたちは生き残るために価格を下げざるを得ず、
結果として安売り競争が激化しています。
「安くても同じように綺麗にできる」という誤解を消費者に与え、
短期的な集客を狙った過激なキャッチコピーや映え狙いの広告が氾濫する状況になっています。

日本で起きている違法施術のリスク
この韓国の流れは日本にも影響を及ぼしています。
経験を積むために韓国から日本へ渡り、マンションやホテルの一室で無許可施術を行うケースが増えているのです。
違法施術を行う以上、就労ビザを取得しているはずもなく、全てが無許可の活動です。
安いからと受けてしまうと、間接的に犯罪(脱税・法律違反)に加担していることになる点を理解しておく必要があります。
さらに、こうした出張施術者は技術が未熟なケースが多く、失敗リスクが非常に大きいと認識すべきです。
本当に人気のあるアーティストは韓国国内で十分に需要があるため、わざわざ日本に出張してくる必要がありません。
実際に報告されているトラブル例
日本でも、すでにトラブルの声が数多く上がっています。
• 連絡が取れなくなったケース
ホテルで施術を受けた後、色素が不自然に変色。帰国した施術者とは連絡がつかず、アフターケアも受けられなかった。
• 感染症や衛生管理の不備
施術後に強い腫れが出て医療機関を受診すると感染症と診断。原因は使い回し器具や衛生管理の甘さだった。
• 仕上がりのギャップ
SNSで見た写真のような自然さを期待していたが、実際は濃く派手すぎて生活になじまなかった。
ノーズシャドウ・涙袋・オーバーリップデザインのアートメイクなど・・・・
長期的な美しさや除去のことは全く考えられていないものも出回っています。
こうしたトラブルの背景には「安いから」「映えそうだから」という安易な動機があります。
しかしアートメイクは簡単に消せないものであることを忘れてはいけません。
韓国の文化的背景と「映え」志向
なぜ韓国ではここまで映え重視の広告や施術が広がるのか。
そこには文化的背景と国民性が深く関係しています。
• 競争社会の価値観
他人との差を明確に見せることが評価されやすい社会。劇的ビフォーアフターが好まれる。
• 見た目=努力の証
外見の美しさは「自己管理」として評価され、美容は投資として受け入れられている。
• K-POPや韓流エンタメの影響
一瞬で世界に伝わるビジュアルフックが重視され、その手法が美容広告にも浸透。
• 短期的インパクトを好むネット文化
「バズること」が価値とされるため、直球ワードや派手な加工が当たり前になっている。
これらの背景から、韓国のアートメイクは「映えるほど良い」という方向に走りがちです。
しかしそれは必ずしも日常生活で自然に馴染む仕上がりとは一致しません。
韓国アートメイク広告の「本気度」
韓国の広告を見れば一目瞭然ですが、画像編集や演出の徹底度が日本とは段違いです。
加工で血色感やツヤ感を強調。シワも無くす。まるで別人に見えるほどの変化を演出しています。
一方で、日本には医療広告ガイドラインがあり、過度なビフォーアフターや虚偽にあたる加工表現は禁止されています。
そのため日本の広告は控えめに見えやすいですが、裏を返せば「現実に近い表現」であるとも言えます。
言葉のニュアンスとカウンセリングの重要性
私自身、海外研修に参加したときに実感しました。
そこには優秀な通訳がついていたのですが、ニュアンス的な指示になると「?」となることが多かったのです。
たとえば「ふわっと自然に」「血色感だけ欲しい」「派手すぎないように」といった日本語特有の感覚的表現。
日本人同士なら一瞬で共有できるイメージも、外国語に置き換えると意味がずれてしまいます。
この経験から強く感じたのは、母国語で自分の希望を細かく伝えられる安心感の大切さです。
アートメイクは繊細な施術だからこそ、カウンセリングでの言葉の擦り合わせが満足度を大きく左右します。
まとめ:安さや映えより「安心・信頼」を
韓国アートメイク市場の供給過多と映え文化は、短期的には魅力的に見えても、
日本の消費者にとっては違法施術・トラブル・仕上がりギャップというリスクにつながります。
大切なのは「安い」「映える」ではなく、母国語でしっかり希望を伝えられる安心感と、医療体制のある信頼できる場所で受けること。
それが、後悔しないアートメイク選びの一番の近道です。



